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漫画制作の知識―彩色は2本の筆で―

彩色は2本の筆で
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雑誌で活躍している漫画家には様々な経験と知識があります。実際に漫画を描いている方や編集者やデザイナーのために、漫画家が役に立つ情報を教えます。
ご参考になれば幸いです。
目次
1.彩色は2本の筆で
 1-2.彩色漫画のインクに注意
2.「ぼかし」とは
 2-1.2本の使い方
3.「ぼかし」のポイント
4.筆洗も2個用意する
彩色は2本の筆で
漫画の彩色には不透明水彩絵の具を使います。
決まっているわけではないので、どのような着色を行っても良いです。カラーインクやポスターカラー、アクリル絵の具など、なんでも構いません。私は不透明水彩とカラーインクを使っています。
ただし、最近はほとんどパソコンで描いているので、着色作業はパソコン内で完結させています。

多くの漫画家は、この不透明水彩絵の具を毛筆で着色しています。
塗り方は学校の美術の時間に絵を描いていたときと同じで、絵の具を水で溶き、筆に付けて描きます。
着色は同じような方法ですが、実は下絵となる線画を描くインクが重要です。

彩色漫画のインクに注意
水彩絵の具は水溶性ですから水を含んでいます。
漫画家は墨汁をペンに付けて線を描いていますが、墨汁も水を含んでいます。
ということで、墨汁で引いた線の上から水彩絵の具で着色すると、線が滲んでしまうのです。これは大変なことです。絵の具に墨汁が混じって画面が汚れてしまいます。

そのため、ほとんどの漫画家は、カラーの漫画を描く際には、下絵の線に墨汁ではなく証券用インクを用いています。証券用インクで線を描き、乾かしてから水彩絵の具で着色すればほとんど滲むことはありません。


「ぼかし」とは
特別な描き方ではありませんが、漫画を描く際によく使われる手法があります。
それが「ぼかし」の手法です。
「ぼかし」というのは着色した端の濃淡を変えて、ときには「色ゼロ」の状態にすることです。グラデーションだと思ってください。
その「ぼかし」の描き方は様々ありますが、漫画家の多くは2本の筆で濃淡をつけていきます。

■2本の使い方
1本の筆に絵の具の色を付け、もう1本の筆には水を含ませておきます。
たとえば、赤をぼかそうと思ったら、1本の筆に赤の絵の具をのせ、もう1本の筆はわずかに水を含ませただけの状態にします。そして、赤絵の具をのせた筆で色をのせ、ぼかしたい色の端に他方の筆を付けて色を伸ばしていきます。
これが「ぼかし」です。

学校の絵画はほとんど色のベタ塗りですが、漫画を描く際にこの「ぼかし」ができるととても便利です。ベタ塗りは重い雰囲気になりがちですが、「ぼかし」が
そうした雰囲気を解消してくれます。見た目もスッキリします。
何度も練習して「ぼかし」のテクニックを身に着けてください。


「ぼかし」のポイント
水を含む筆に水分が多すぎると色が流れて綺麗に描けません。
そこでタオルなどを用意して、筆の水分を調整するようにします。水分が多すぎると思ったら、タオルに筆を擦って少し水分を取るようにします。

また、もう一方の筆でぼかす際には素早く行いましょう。ノンビリと時間をかけていては、紙に着色した絵の具が乾いて、ぼかすことが難しくなります。あらかじめどこをぼかすかを決めてから「ぼかし」を行うようにします。


筆洗も2個用意する
筆洗は着色用と「ぼかし」用の2個用意します。くれぐれも同じ筆洗で着色とぼかしを共用しないようにして下さい。
ぼかしの際にぼかし用の筆に色が付いてしまうと、綺麗なぼかしができなくなってしまいます。何度も使っていると水が汚れてくるので、汚れたら新しい水と交換するようにします。

まとめ
実際に漫画雑誌などで執筆しているプロの漫画家の知識は、そのまま有益な情報として役立つものばかりです。自分史や社史、広告マンガなどを作る際にも、きっと役に立つと思います。

2本の筆を使ってぼかす技術は漫画家でなくても使っています。綺麗な絵を描くには便利なテクニックです。
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参考ページ→
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