漫画家の原稿料について
雑誌で活躍している漫画家には様々な経験と知識があります。実際に漫画を描いている方や編集者やデザイナーのために漫画家が役に立つ情報を教えます。ご参考になれば幸いです。
目次 | |
1.原稿料について 2.ベテラン作家の原稿料 2-1.実績に応じてアップする 3.実際の制作費は20,000円ほどかかる 4.単行本 5.原稿料の支払い方法 |
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原稿料について 出版社によって異なりますが、漫画の原稿料は30年ほど前とほとんど変わっていません。 新人が雑誌で連載をスタートするときのモノクロ1ページ当たりの原稿料が6,000〜8,000円ほどです。雑誌によっても異なりますがメジャー誌の基準がだいたいこの程度です。 漫画雑誌は出版社の編集者が担当となって漫画家に依頼する場合もあれば、編集プロダクションといって出版社の下請けがメインとなって制作する場合もあります。編集プロダクションがかんでいると、ページ単価の料金が若干安くなることもあります。ようするに編プロの手数料として原稿料が差し引かれるわけです。 ただし、原稿料の支払元が出版社となっていれば差し引かれることもなく、出版社の規定の料金が支払われます。良心的な編集プロダクションです。 ベテラン作家の原稿料 新人から中堅となりベテランになると原稿料も上がっていきます。しかし、中堅やベテラン作家になるには大変な工程があります。つまり、人気のある作品を描き掲載が継続されてきたという実績です。 ■実績に応じてアップする 漫画家の世界は、人気の出ない新人作家はすぐに消えて新たな作家が登場してくるという、まさに弱肉強食の世界なのです。そうした過当競争を勝ち抜いて中堅となりベテランとなっていくわけですから、その実績に見合うだけの対価というわけです。原稿料が10,000円になり20,000円になり30,000円とアップしていきます。 上限はどのくらいかわかりませんが、知るところでは100,000円ほどでしょうか。それ以上の漫画家もいるかもしれません。 実際の制作費は20,000円ほどかかる 漫画家が描いた対価としての原稿料は、漫画雑誌1ページの制作費ではありません。実は、その1ページを制作するには、ふきだし文字のDTP制作やデザイン制作などの費用も必要です。さらに、編集費や漫画原稿とDTPなどを配置して印刷するためのデータを制作する費用もあります。 また、全体を総括して高い水準を維持するディレクターも関わってきます。そうした諸々の費用が総合されれば、たとえ安い新人漫画家の描く原稿であっても1ページの完全版下制作費は20,000円ほど必要となります。 単行本 出版社は漫画家の原稿料を決めるときに、単行本化してどれほど利益が上がるかということも考慮しています。単行本が一定部数売れる計算であれば、原稿料を上げても出版社側はペイできるわけです。漫画家の実績にはそうしたことも加味されます。 もちろん、漫画家としても単行本が売れれば莫大な収入につながります。作家さんによっては億単位の収入があります。非常に魅力的ですが、ほんの一握りの漫画家だと思ってください。 原稿料の支払い方法 原稿料は銀行への振込で行われ、通常は10%源泉されてきます。つまり、当初の原稿料から1割差し引かれた金額が振り込まれるわけです。差し引かれた分は確定申告を行い税務署から返してもらいます。 面倒なことですが、国の定めでそうなっております。 |
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